いびきの仕組み
いびきとは、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸の際に気道の粘膜が震え、音を出す症状です。
通常、気道は筋肉で支えられているので、狭くなることはなく、十分な気道が保たれています。しかし、睡眠中は身体が休んでいる状態なので、筋肉が弛緩しています。
そのため、十分な気道の確保が出来ない状態になります。そうなると、空気が流れるスピードが速くなるとともに、空気抵抗が大きくなり、音が鳴るまで粘膜が震えるようになります。これが、いびきの仕組みです。
いびきの原因
いびきの原因を大きく分けると、一時的な原因と慢性的な原因の二つが挙げられます。
一時的な原因
疲労
身体が疲れていると、筋肉が通常よりも弛緩し、気道がより狭くなってしまうために、いびきをかくことがあります。 また、疲労時は、身体が疲労を回復するために、より多くの酸素を取り込もうとするために、鼻で呼吸するだけでなく、口呼吸もするようになります。口呼吸をすると、のどちんことその周辺部分の粘膜が空気によって振動し、音を出すことになります。
飲酒
飲酒によってアルコールを摂取すると、酔っ払った時に力が入らなくなるように、筋肉が弛緩します。 また、身体はアルコールを分解する際に、大量の酸素を必要とします。 身体がアルコールを分解しようとして酸素が不足すると、通常より多くの酸素を取り込もうと激しく呼吸をするようになります。そして、気道を流れる空気抵抗が大きくなるために、粘膜が震えやすくなります。このように、飲酒はいびきの原因になります。 これら、一時的な原因によるいびきは、誰にでも起こり得る症状です。
慢性的な原因
肥満
肥満の場合、身体の中に余分な脂肪が蓄積されます。そうすると、気道の周りにも脂肪が蓄積されるので、気道が圧迫されて狭くなってしまいます。
口呼吸
普段から口呼吸をしている人は、舌の筋肉が衰えるため、睡眠時に、舌が気道側に沈下して気道を狭くしてしまいます。
これらの慢性的な原因は、睡眠時無呼吸症候群へつながる可能性があるとともに、肥満・口呼吸は他の病気の原因ともなるので、早期に治療することをお勧めします。